【危険】PVCは有害物質が発生する！？どんな影響があるの？

「ダイオキシンの原因はPVCだ！」PVCが有害であるということについてはよく聞きます。しかし、PVCは身のまわりの製品にとてもよく使われており、どんな害があるのか気になりますよね？

ということで、今回はPVCの製造過程で、どんな有害物質が発生するのか調べてみました。

PVCとは
どんな有害物質が発生するの？
まとめ
References

PVCとは

PVC（Polyvinyl Chloride）はポリ塩化ビニル。ポリ塩化ビニルを略して「塩ビ」といいます。安価で、耐久性・耐水性・耐候性・耐腐食性、耐傷性（キズに強い）、断熱性、軽量性、加工性に優れているのが特徴でとても人気が高い。

世界で5番目に多く生産されるプラスチックで、PVC の世界需要は年率 3.2%増加すると予想されています。その３分の２は建築用途。

家具・室内装飾品
事務用品
玩具・インフレータブル製品(プール、ウォータースポーツ用品、トランポリン)
チューブ(園芸用ホース、灌水用チューブ、医療用チューブ、電線被覆など)
フィルム（包装）
バッグおよびスーツケース
パッケージ(缶コーティングを含む)
医療機器・製品

どんな有害物質が発生するの？

塩素製造

ポリ塩化ビニルは、 60%近くが塩素で占められています。工業用途のうち、現在最も塩素を消費するのはPVC製造です。
塩素は、有機分子と容易に反応し、さまざまな塩素化合物を生成。そのため、塩ビの製造に塩素を使用すると、有機塩素系廃棄物(バーゼル条約付属書Iで定められた廃棄物の有害成分)や副産物が発生し、さらなる有害物質が。また、これらの化学物質の多くは、魚類、野生生物、人間などの生態系に蓄積され、低レベルでも毒性があり、発育中の胎児と乳児にとっては危険であるそうです。

製造過程の様々な副産物

二酸化エチレン(EDC)

世界のほとんどの地域で、PVCの製造工程では、ナフサや天然ガスを分解して得られるエチレンと塩素を混合して二塩化エチレン(EDC)を製造しています。二塩化エチレンは無色で油性の合成化学物質であり、加熱すると有毒な塩酸を発生。

EDC1トンにつき約4キログラムの副生成物が発生し、その中には残留性毒性化学物質が含まれています。これには、ダイオキシン、フラン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ヘキサクロロベンゼン( HCB)など、残留性有機汚染物質(POPs)として認識されている有機塩素系化学物質が含まれます。最後に、塩化ビニル(猛毒、可燃性、発がん性)の基質が重合されてPVCになります。

EUは、EDCを発がん性のある物質として、使用前に認可が必要な高懸念物質と評価。

クロロエチレン（ VCM）

管容器やチューブから浸出することもあり、これらの製品から治療を受ける患者が直接さらされる可能性があるが、実際のリスクを知るには、さらなる研究が必要。VCMへの曝露の影響は、急性および慢性曝露で異なる。 VCMへの急性曝露は、中枢神経系、呼吸器系、心血管系および消化器系への影響に関連している。VCM の慢性暴露は、ヒトの多くの生体系に影響を与え、特に高血圧、肝障害および異常、妊婦の子癇前症、免疫系および中枢神経系への影響、変異原性および DNA 付加体の形成を引き起こすことが示されている。